2025年06月01日

ブログのお引越し

2005年から継続してきた我がブログ「黄昏のルート50」ですが、とある事情によりプラットホームを変更します。

このページは、自分ではパソコンでしか見ることがなかったので、今まであまり気にしていなかったのですが、どうやらスマートフォンで開くと非常に見づらいらしい。ぼくも確認したところ、センスもへったくれもないような広告のオンパレード。こんなことになっていたとは…!

今後は「note」に移行します。
ただ、過去の記事に関しては、どういうわけか公開日時を編集できないので、今までの記事はこのまま、このライブドアに残しておこうと思います。もしかしたら将来「note」が対応してくれるかも知れないので、その時にまた考えよう。
とはいえ投稿数があまりに膨大なので、とてもじゃないけれど全移行はムリだと思われ…。まぁ、今年でぼくも還暦、60歳になるので、キリが良いといえばキリが良いので、先へ進みましょう。

そういうわけで、今後の「黄昏のルート50」は…

https://note.com/yoshimizu_blog

になります。スマートフォンで閲覧する場合は、note のアプリを入れておくと便利です。
ちなみに、投稿記事は今年からのものだけ転載してみました。これからも「黄昏のルート50」を、よろしくお願いします!

黄昏のルート50


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2025年05月27日

6月4日(水)LIVE!!

来週6月4日水曜日、目黒 LIVESTATIONに出演決定!
取り急ぎ、情報をお知らせします。

我が愛器 Gibson L-00 1942 に、新たに換装したピックアップ。
覚悟を決めて、エンドピンの穴をドリルで拡張。今までで一番のギターサウンドを手に入れました。このぼくと同じく、おそらく唯一無二でしょう(笑)
今回のセットリスト、またまた新曲を投入予定。お楽しみに♫

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2025年05月07日

6月15日(日)LIVE!!

ぼくが大好きなシンガーソングライター畑崎大樹
彼が定期的に出演している栃木県小山市にある「NATTY PUB」でのライブに、6月15日(日)オープニングアクトとして、中村いぶきさんと共に出演することになりました!

そもそもの彼との出会いは、高校時代からの友人Yが大樹くんのライブマネージメントをしていて、時々ライブに誘ってくれて観に行くようになったんだけれども、珍しく気が合うというか、仲良くなったんです。
五十代になって新しい友だちができるなんて、あんまりないこと。昨年の夏は、つくばまで遊びに来てくれて、筑波山の麓へ蕎麦を食べに行ったり、フラワーパークでソフトクリームを食べながら、いろんな話をしたり(笑)丸一日いっしょに遊びました。話が尽きない、とても楽しかった思い出です。

そんな彼のライフワークにお邪魔させていただきます。
この「NATTY PUB」でのライブは、もう20年以上も継続しているそうで、一時期は年間200本以上のライブをこなしていたという彼にとっては、きっと重要なお店に違いない。ライブでしか聴けない曲もあって、いつも楽しみにしているんだけれども、今回も歌ってくれることを期待しています。

中村いぶきさんは、何度か大樹くんのライブで共演されてる方で、小山市在住。このお店の常連。ご近所さんだそうです。
落ち着いたアコースティックな、時々テクノロジーを駆使した演奏で、独特な歌世界を聴かせてくれます。個人的な印象ですが、クランベリーズを彷彿とさせる芯のある透明感を持った歌声。前回は宇都宮の「悠日」で観させていただきました。

そして、ぼくは小山から水戸線で少し入ったところにある下館(現・筑西)出身です。初期の楽曲には国道50号やドライブイン、今はなき観覧車など、この地域の風土的な色合いの濃い歌がたくさんあります。今回は、そんな懐かしい景色が見えるような選曲と、今の自分が立っている場所から未来を見つめられるような歌を、この店に集まってくれる人たちの手に届けられたらいいな、と思っています。
是非とも、お友達お誘い合わせの上、ご来場くださいませ♪

《閑話休題》
今年に入ってから、実は大樹くんと楽曲を共作するという案件があって、投げたボールが返ってきたまま、ぼくの方で止まっているのですが(笑)その大樹くんが作ってくれた曲を、どうやってふくらまそうかと腕組み考えていた時に、なんとなく、ふとリッキー・リー・ジョーンズの「パイレーツ」を思い出して、久しぶりに聴いたんです。
リッキーの声。この声に、心底ぼくは惚れてしまって、20代の頃ずいぶん聴きました。ところが何故かファーストアルバム「浪漫」を持っていないことに気づいたのです。
そんなバカな! と思いながら探したんですが、ありません。じゃあレコードを買う前にと、とりあえずCDを購入したんですが、止まらなくなって、スポティファイで試聴しながら次から次へと持っていないリッキーのアルバムを現在進行形で入手しまくっているという…。そういうことが時々おこるんです。
音楽って、ほんとおもしろい。

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2025年04月28日

シブヤがわからない

久しぶりにかつての我が街、渋谷へ行ったんだけれども…。
もうわけがわからないです。どうしても30年前の記憶を頼りに、目的地までたどり着こうとしてしまう思考自体が間違っていて、桜丘町へ行くのに宮益坂方面から地上へ出ると、294沿いの高架下が行き止まりになってて、歩道橋を渡ったら渡ったで遠回りさせられ、銀座線も東横線もどこなのかよくわからないし…。もう未知の未来都市化してますシブヤ。
そして外国人だらけ。ここは本当に日本なのか? というぐらい多民族化している。いっしょにいたプロデューサーH氏いわく、タトゥーを入れた若者だらけでセンター街なんか怖くて歩けないよ、とおっしゃってました。流行りなんでしょうか?
それでも道玄坂に出ると懐かしい景色で、ちょっとした既視感を覚えます。このエネルギーの坩堝感。やっぱり嫌いじゃないんだよな。幾度となく朝までほっつき歩いたもんです。

テレビ埼玉で「探偵物語」を再放送しているのをご存知でしょうか? そう、あの松田優作のです。ぼくは昔から大好きで。松田優作演じる探偵の工藤俊作が事務所を構えているのが、たしか渋谷なんです。見覚えのある場所がいくつも出てくる。宇田川町の兆楽とか。よく行きました。あそこのチャーハン、個人的には最高ランク。エンドロールは公園通りだし、ジャンジャンも出てきた。そういえば上京したての頃に、柴田恭兵とジョニー大倉が主演の「チンピラ」っていう映画があったんだけれど、これもまさに渋谷を舞台にしたものでした。
話はかわって萩原健一と水谷豊コンビが主役の「傷だらけの天使」。住んでたのは、代々木にあるビルの屋上のペントハウスだったかな? 憧れました。なんとか似たような場所に住めないか真剣に考えてた時期がある(笑)

要するに、その頃の都市生活者としての幻想が、ぼくの脳髄には染みついているわけです。特に新宿や渋谷って、なんとなく若者たちの未来へ向かおうとするエネルギーが充満していて、そういうアクティブな空気の中で自分も生きた時期があった。その皮膚感覚のようなものって、時間が経っても失くならないのです。
そこにいるだけで、いつも明日なにかが起こりそうな予感のようなものを感じている。常にリアルな現実がマスキングされているような? そういう時間が流れている日常。途上であることへの優越感。そして、おそらくきっと誰もが経験するであろう、出会っては別れていくスクランブル交差点のような人生の午前0時…。

そんなことをボンヤリと考えながら、道玄坂から駅に向かう人混みの中へ。ハチ公口へは渡らずに地下道への階段を下りて行きました。ハチ公はそのままなのかな? モヤイ像は別の場所に引っ越したらしいですが。また戻るのかは不明。忙しない街ですな、シブヤ。

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2025年04月16日

My Lost 10 years of...

いつのまにか、ぼくも今年で還暦です。
そして今回、新しい取り組みに向けて、とあるプロジェクトが進行中です。それはまた、その時が来たらあらためてお知らせできると思いますが、生きていると次から次へと、いろいろなことが起こるものです。そうなると今の自分を客観的に見る機会が増えるので、自分がここに立っている姿が、なんとなくリアルに感じるようになってくる。飄々と日々、生きている感じが心地良い。貧乏ですけど(笑)とりあえず毎日、食べてはいけているので、それでいいかな、と思っています。
どんどん欲がなくなっていくなぁ。良いんだか悪いんだか…。

先日のライブで急遽、販売を開始した「My Lost 10 years of...供廚箸いΕセットテープ&DLセットですが、完売。今後もチマチマ製作して物販していこうと思ってます。
セットの中身は、DLカード、未発表曲(ライブでも歌ってない曲)を含む10曲分が録音されているカセットテープ(インデックスカード付き!)、クラフト用紙に印刷したライナーノーツが同封してあります。しかもDLファイルには、音源ファイルの他に、冊子をイメージしたPDFで、各曲それぞれの歌詞、制作メモ、機材リストがダウンロードできます。これ、本当は印刷して、ちゃんと冊子にしたかったんですが、製作環境や時間的な余裕もなく…いずれまた、という感じで。今回はライブでの物販特典として、缶バッジも1個プレゼント。

この音源は上記の他に副題として「DEMO TRACKS 1996-1999」というタイトルが付けられています。いわゆるデモテープというやつなんですが、このままだと陽の目を見ることがなさそうなので(笑)今のうちに形にしたくて、昨年あたりから考えていた企画です。マスタリングも専用のツールを購入し、自分で作業。難しかったけれど、楽しい作業でした。こんなに聴こえ方が変わるのか!と驚きの連続。あらためてアナログテープの良さに気づかされました。
というのは、この音源の10曲中、4曲はオープンリールを使用した8トラックの録音機で作ったんですが、デジタルで制作したものよりも、なんとなく奥行きがある。そしてカセットテープで聴いてみると、ベースラインがわかる(笑)不思議と埋もれずに聴こえてくるのです。
くり返し聴きたくなる。謎です。デジタルファイルとカセットテープ。是非とも聴き比べてほしい。いやいや、そういうのって、ただのノスタルジーで、デジタルの方が音が良いに決まってるじゃん…うん、そうかも知れないけれど、やっぱり耳に楽しいのはアナログな気がします。ぼくは。

現代人の音楽の聴き方。昔みたいに時間がのんびり流れていないので、とにかく効率が優先されてしまうのは否めない。けれど、Spotify ですら最高音質で聴いていても、CDを購入してみると圧倒的に音が違う。やはりCD音質というのは、今でも世界基準でしょう。
そしてレコードは、もう別次元のもの。こちらは手を貸さないと聴けないというのがいい。音楽マニアのものとしての付加価値がある。ぼくは好きなだけ、レコードを聴いていたいです。そして山のように保有しているカセットテープで録音された音楽を、一から聴き直してみたいな。

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tasogare6 at 14:06|PermalinkComments(0) 音楽 | 音楽制作

2025年03月31日

久々のライブ告知

暑くなったり寒くなったり、今日は花冷えでした。
「花冷え」って言葉、なんとなく好きで。なぜ好きなのかは、よくわからないんだけれども(笑)これが過ぎれば本格的な春の到来。花粉症は年々、症状が軽くなってきてるのだけれど、それだけ高齢になってきたってことらしい。抵抗力が低下するからって…ほんとか?!

現在、物販用のカセットテープを作ってます。
今度のライブに間に合うかどうか微妙なとこですが、とりあえず制作はすすんでいる。音源はできているのだけれど、同封するテキストの文量がけっこうあるので、そちらの方で手こずっている。カセットテープの他に、ダウンロードできるQRコードを印刷したカードも用意する予定。こういうのを制作するのって、久しぶりで楽しい♪

そして考えてみれば今年、初のライブ告知です。
場所は目黒ライブステーション、日程は4月10日木曜日です。ぼくは遅めなので、時間に余裕のある方は是非、ぶらっと遊びに来ていただければと思います。Gibson L-00 を抱えてお待ちしております。
____________________
LIVE EVENT【SONG FOR YOU】

会場:目黒 LIVESTATION
日時:2025年4月10日(木)OPEN 18:15 / START 18:45
料金:前売3,000円+1 drink(600円)
   当日3,500円+1 drink(600円)

《出演》
大塚慶太郎・星乃馨・都竹宏樹・テキナクライ・吉水孝之

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Photo by F.yoshihama


tasogare6 at 00:51|PermalinkComments(0) ライブ | 目黒LIVE STATION

2025年02月28日

ピックアップの研究

ずっとずっと昔から僕を悩ませてきた問題に、ライブ演奏におけるギターの音を、いかに生音そのものを電気的処理で再現できるかという課題がある。ギター本体の音は、相性はあるにせよコンデンサーマイクで拾うのが一番だという見解には同意するが、そのような形態はライブ演奏ではなかなか難しい。
そこで以前、ヤイリギターにお願いして、当時においてはこれ以上ないという FISHMAN のピックアップを取り付けたアコースティックギターをメイン使用していたが、それでも満足できずに心は離れてしまったのでした。

ボサノヴァの場合は、これはもうライブでもコンデンサーマイクを使用していたが、ヴィオラォンをライブハウスで使用する場合は、それこそ箱のエンジニアの腕に依存せざるを得ないので、その日のパフォーマンスに少なからず影響してしまう。
そういう状況にも、いささかウンザリしてきたので、なんとかならないものかと、相変わらず試行錯誤の連続なのです。そもそもマーチンだギブソンだと、ギターそのものの個体から響き出る音にのせて歌う自分の歌を、そのまま会場に響き渡らせたいというシンプルな欲求しかないのに、なぜここまで悩まなきゃいけないのか? それはやはり、ライブ会場に自宅を持ち込めないというのと一緒で、できるだけ簡易的な、しかも高品質な再現クオリティーラインを設定して「妥協」しなければならないという大人の事情があるからです。

そうなると、条件としては出演するミュージシャンのみんなも同じなので、おのずと選択するシステムが似通ってくる。使用する楽器の個体差はあるものの、なんとなく同じような音になってしまう。なんかちょっと残念…そういう気持ちを、できるだけ排除したい。天邪鬼な僕は、できるだけ現代ピックアップ事情のメインストリームから外れてはいるんだけれど、自分の耳で聴いて、感じて「これだ!」というものを探し当てたいという、わがままな欲望に突き動かされつつ、何度も失敗を重ねている。
そして昨年、これ以上ないんじゃないか? と思われるピックアップを発見。それを設置するベストなポイントを見つけるのは苦労するが、決まればギター本体の生音そのものの音に近い再現率を誇る。と、自分では感じている。しかも、それをエンドピンジャックに改造できないか? という機材オタク的な発想へとひろがってしまっている現状(笑)に、自分としても失笑している。

そんなこんなで、はんだごて片手に奮闘。結局のところ我が愛器 Gibson L-00 のエンドピンホールを拡張することに躊躇して、接触不良気味だったホーンメスジャックをバージョンアップ。ついでにピックアップシールドを補強。なんとか安定した音質を手に入れることができました。4月10日に久々のライブがあるので、その時には是非このシステムをステージに持ち込めればと思ってます♪

《閑話休題》
先日、現在進行中のプロジェクトスタッフが、過去のアルバムジャケットで缶バッジを作ってくれました。こういう小物グッズって、妙に心をくすぐられますね。数は少ないですが、次回のライブでも物販予定です。

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tasogare6 at 23:59|PermalinkComments(0) 音楽 | ギター

2025年01月21日

2025−2049

明けましておめでとうございます。そうでない方へは、今年もよろしくお願いします。とりあえず年が変わりました。そして巳年。わたくし年男でございます。そして、あと2回の巳年を迎える頃、おそらく人生の終盤。生きていれば、の話ですが。まさに「ブレードランナー2049」…なんという符号!
さんざん時間という概念を取っ払って生きていくのだ、とか言いながら、自分の歳はしっかり数えているという(笑)こんなことではいけません。
ただ。思い描いていることを、あまり後回しにはできないなと感じているので、もっと今年は積極的に行動しようと思っているのです。それはもちろん狒朖瓩諒野で?狒廊瓩任發△襪里な? とにかく頽落した日常界を徘徊しながら、天国に一番近い場所を見つけたい…その姿勢は貫きたい。とかなんとか言いながら、この生活の中にこそ、その答があるような気配も感じているのだけれども…こればかりは、先へ行ってみないことにはわかりません…。

24年後の世界。いったいどうなっているんだろう?
あのキャップの似合わない、どこかの国の億万長者は火星に移住しているのだろうか? 宇宙に目を向けるよりも、この小さな青い星狠狼絖瓩北椶鮓ければいいのに。
資本主義の権化ともども、海ばかりでなく、宇宙にまで無用なゴミを撒き散らすことを人類の進歩だと勘違いしているスノッブや、この星の所有権をめぐって、自国の領土を拡大、奪い合うことが正義だとのたまうアホな権力者たちは、かつての二十世紀に起こったさまざまな出来事から、何も学習していない気がする。というか、それってそもそも人間に備わってしまっている嗜好なんだろうか? 確実に世界はディストピアへと突き進んでいる気がするな…。

僕は昔から、たくさん夢を見る。もちろん、あの寝ている間に見る猝喚瓩任后それはもう、大スペクタクル冒険映画1本分に匹敵するくらいの内容。しかも、かなり映像として残っていて、子供の頃に見た印象的だった夢も覚えています。時々、現実と幻想の境がわからなくなるような感覚に陥ることも。
そう考えると「現実(リアル)」というものは、今この瞬間でしかない。過ぎ去ってしまった時間は、あの夢と同じカテゴリーに加えられてしまう。でも、未来を思い描く力は、現実を引き寄せる。そのことを僕は身をもって体験しているので、夢には力があることを知っている。あとは、どれくらい真剣に思い描けるか。
ジョンレノンの「IMAGINE」じゃないけれど、世界中の人々が本気で地球の行末をイメージできたら、きっと他の惑星に逃げ出すような未来はやって来ない気がします。

昨年のクリスマス・イベントは準備不足で、個人的な部分では悔やまれる内容になってしまいました。きっとそういうところから、何事も同じイメージを持って、そこへ向かって力を合わせていくべきなんだろうな。
なんとなく僕は、いつも人任せでボンヤリしているので(笑)そこから改善しなければいけない。反省です。今年もまたクリスマス・イベントがあるのであれば、今度はちゃんとしたプランを立てて準備したいと思ってます。

とかなんとかグズグズ書いているうちに、ドナルド・トランプ氏が第47代大統領に就任してしまいました。就任早々、矢継ぎ早に数々の公約に署名。パリ協定の離脱、WHOからの脱退、来月1日からカナダとメキシコに25%の関税を…などなど。今年は世界中が、この人に振り回されそうですな。やれやれ。

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tasogare6 at 19:32|PermalinkComments(0) 生活 

2024年12月16日

十年越しの宿題

約十年前に、とある名プロデューサーにいただいた宿題があります。それはとてもデリケートなテーマで、なかなか着手できずにいたんだけれど、曲想はできていて、メロディーと主要なサビのリリックもできていた。でも、最後まで作れずにいたのです。いや、作らずにいたというべきかな?
その宿題に、今やっと形を与えることができそうな局面がやってきました。このタイミングで書き始めたら、あっという間に出来てしまった。おそらく今後いろいろと手が入るとは思うけれど、この流れを待っていた楽曲なのかも知れない。不思議なことに、最初はなんとなくぼんやりしたきっかけで人と人とが集まり、いつのまにか僕を中心にした事案が立ち上がり、ぼんやりとしたまま企画だけが歩きはじめて、とにかく僕は脳みそをフル回転させて現実を認識するのを苦手とするタイプなので(要するにニブイ)、最近やっとコトの輪郭が見えはじめてきました。
そして、久しぶりに推敲に推敲を重ねた、今の自分が歌うべき楽曲にたどり着いた。現在デモ制作の真っ最中。このプロジェクトのメンバー全員が納得するクオリティーにまで作品を引き上げるのが、僕の仕事です。
それもこれも、今まで作詞家としてディレクターと何度もやり取りをして、推敲を重ねるという作業の経験がなければ、成し得なかった創作への姿勢。そして今回は、自身で歌うための楽曲。しかも、さじ加減ひとつで非常に誤解を生みかねない種類の歌でもある。これは僕ひとりの判断では済まされない。もしかしたら賛否両論あるかも知れない。でも、自分にとってはとても重要な宿題として、ずっと胸に秘めていたテーマで、いつか書かなきゃならない…と思いつつも書けなかった楽曲です。

このプロジェクトのメンバーには、上記のプロデューサーとは違う、また別の名プロデューサーがいて、この方の一言で動き出したという経緯もあり、出来た曲に率直な意見をくれたり、数々のヒントに触発されて楽曲が磨かれていく。これはとても面白い。きっと自分だけでは見えない角度の顔が、そもそも楽曲にはあるんだと思う。その点に気づかせてくれたあと手を入れていくと、見えてくる景色が格段に変わるのです。
そういえば昔「橋の灯り」を書いたときと似たような感覚があります。懐かしいな…。この楽曲は良い歌になるに違いない。そう確信してます。

《閑話休題》
さて、いよいよ来週はクリスマスです。24日イヴの夜は、目黒ライブステーションでイベントライブ。そんなこんなで、もうあまり時間がない! しかもまだセットリストも決まりきってない。歌いたい曲が多すぎるし、クリスマスなんだから、この曲はやらないと…なんて考えると、今さらながら歌詞に手を入れたくなったり、なんか弾き語りじゃ物足りなくなったり、せっかく用意した機材がトラブったりで、土壇場にきてバタバタするという相変わらずな状況。ま、どちらにしても楽しんだもん勝ちなんで、それもふくめてのライブです←と開き直る。

あれ? みんなでクリスマスソングを何曲か歌おうって話があったと思うんだけれど…どこまで進んでたっけ? その企画…
是非とも遊びに来てください♪

【Song for You X'mas special】

会場:目黒LIVESTATION
日時:12月24日(火)
開場: 18:00
開演: 18:30
料金:\3000+1DRINK

出演:吉水孝之 / 都竹宏樹 / 谷川智宏 / こいと / 堀明日香

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tasogare6 at 01:32|PermalinkComments(0) 音楽制作 | ライブ

2024年11月28日

歌い続けるということ

今年のクリスマス・イヴは、おなじみ目黒ライブステーションで過ごすことに決定です。確か昨年もクリスマス当日は、普通にライブイベントだった気がする。そして今回も…。なので、クリスマスなのに特に予定のない方々(失礼)は是非こちらへ足を運んでいただきたい。この時期ならではの選曲と、素敵な出演者たちとのパーティーライブです。シャンパンやケーキもあったりしたらいいなぁ…。提案してみよう♪

余談になるけど先日、やっと久しぶりに TheROOT のリハーサルがあったのです。なかなかライブの予定が組めないまま今年も終盤に突入ですが、セットリストを考えるにあたって、懐かしい楽曲たちを掘り起こすうちに「壊れたジュークボックス」や「孤独な朝」なんかもやってみたり。そういえば「最後のメリークリスマス」なんかも話題にあがったなぁ。みんな、よく覚えてる。書いた僕でさえ忘れてる曲があるのに(笑)

今まったく別の企画が水面化で進行していて、コーナリ&トミーも休止状態なんだけど、それでも向かうべき明日があるというのは良いことです。せっかくやりたいことがあるのに、結果ばかりを先回りして考えて躊躇している若者に出会ったりすると、時代のせいばかりにはできない精神性の変遷を感じます。考えることが多過ぎる、とてもキュークツな世の中になってしまってる気がする。
もちろんセーフティーネットは大事です。もしこれがダメだったら、と保険をかけて生きようとすることに否とは言えないけれど、行動する前に、そのことを最初に持ってきてしまうと勇気と思考が失速するし、そこを皮切りに怖れのマトリョーシカに陥ってしまうとも限らない。

どうせ人間は1度しか死なないんです。それならば時間の観念をできるだけ取り払って、前のめりに生きていった方が、きっと楽しい。そしてこれ以上、地球に迷惑をかけない生き方を模索したいもんですな。僕にとっての牴里ぢ海韻襪箸いΔ海鉢瓩蓮△修ΔいΔ海箸任后

《閑話休題》
先日、僕が制作に携わった、大阪を拠点に活動している米澤勇気くん率いるド頭XXXXXXXXXX瓩裡掲越しファーストアルバム「生きてるだけでマルモウケ!」が、昨日11月27日にCDリリースされました。

今回は珍しいことに楽曲として発注されたものもあり、作詞のみならず作曲までも手がけることになったんだけれども、かなり濃い内容の要望書が送られてきて(笑)いささか困惑気味に着手しましたが、なんとか〆切に間に合わせることができました。そして、これがメンバーたちにも好評を得まして、アルバムタイトルに引用されるという…うれしい限りですな。
アルバムのラストに収録されている「生きてるだけで」という曲で、昨今では珍しく、僕の書き下ろしです。

それと、もう1曲、アルバム冒頭の「I wish you love」は以前、別プロジェクトで書いたものですが、今回のド頭コンセプトに非常にマッチしていたので、この機会にリライトして陽の目を見た楽曲です。そういった巡り合わせも、数ある音楽制作の中では珍しいことではありません。そして、このアルバム、他にも良曲がたくさんあります。
一見、お笑い系のごちゃ混ぜグループに見えるかも知れませんが、それぞれの個性をリーダー(だよね?)であるユウキくんが絶妙なバランスでまとめていて、セルフプロデュースにも長けている息の長いグループです。平均年齢こそ40歳台ですが(笑)これからも大阪を拠点に、活躍の場を広げていってくれると期待しています。
是非リンクをクリックして、別ページに飛んでみてください♪

生てるだけでマルモウケ!


tasogare6 at 10:51|PermalinkComments(0) 音楽制作 | 生き方について

2024年10月25日

脳内ウェザーチェック

さすがに脳みそが固くなってきた気がする。
曲調がロック的なアプローチだと、どうしてもパーソナルな細胞が疼きだして、どちらかというと慣れ親しんだワードセンスばかりに寄ってしまう傾向にある。そう自覚はしているんだけれども、なんというか、はみ出せないまま終着点に向かってしまうというか…。ま、それでもディレクターの手腕もあって、歌詞としての高いクオリティーラインには届いているのだけれども。

いったいなんの話かというと、とある作詞案件の話。ありがたいことに次から次へと作詞のオファーをいただいてます。大体のところ音楽以外では、まともな仕事ができない人間なので、自分の持っている能力を最大限に生かせる環境を与えてもらっていることには、とても感謝しているのです。
とはいえ、さすがに創作センスは衰える。新しいものに触れることで、脳内に未知なるワールドが、ものすごいスピードで増殖していった十代、二十代。その頃と同等な創作エナジーを維持するのは至難の業です。そこはなんとか経験値というフィールドで補いながら、現代に照準を合わせた創作思考で案件にのぞんでいるんだけれど…。なんかこう、突き破れない感覚があって、それがなんなのか、まだよくわからない。まぁ、相変わらず、空白に一滴の着想の滴が落ちると、いつのまにかリリックワールドが出来ていたりはするんだけれども、なんかこう…うーん、こればかりは個人的な感覚なのかな。

先日、珍しく歌詞だけじゃなく曲のオファーも受けまして、基本的にいただいた案件は断らないスタンスなので、チャレンジさせてもらったのだけれども…。これが思いのほか好評で、編曲までは力不足で受けられなかったとはいえ、非常に良い出来で、久しぶりにデスクトップミュージックでの音楽制作が楽しいと感じられた案件でした。なので、これを機会に曲作りも含めた楽曲制作にもチャレンジしてみようかとボンヤリ考えているんです。そもそも現代の音楽制作スタイルの変化についていけてないので、まずはそこから。

今回の制作途上で感じたのは、今の世の中には音源サンプルというものが、それこそ無限に存在していて、思いついたイメージに合うサンプルを探し出すところから制作がスタートしたりする。
昔は丸一日がかりでドラムの音源を Midi で繋いで、キーボードを打ちながら、チマチマと一曲分のドラム構成を作ったり…。そもそもドラマーじゃないんで、気の利いたフィルなんか作れるわけもなく、同じようなパターンを繰り返したり、ベロシティー(強弱)を細かく設定して、なんとなくそれっぽい雰囲気を作ろうと四苦八苦…したりしてたんです。
もうそんな、まどろっこしいことをする気力も集中力もない。そう考えるとアレンジャーって凄いな、と思う。おそらく数学的な思考回路がないと、効率よく制作できないに違いない。

ちょっと話がそれたけれど、要するに、最先端の音楽に自然と触れてしまっている世代と、意図的に触れようとしなければ新しい刺激を受けられない世代では、その時点で、何かが違ってしまっている気がする。そういうことかな? 僕が言わんとするところは。しかし、最先端の音楽が、常に良質とは限らないわけで、そこは履き違えないようにしなければならない。

僕が所有しているギターの数々も、すでにヴィンテージとしての価値が高まってきていて、愛用の Fender U.S.A Telecaster 1990 なんかバキバキにウェザーチェックが入っていたり。スタジオでアンプに通しただけで、まさにアメリカな音色を聴かせてくれる。ただただ鳴らしていたい欲求に駆られます。

そんな感じに、僕の脳みそも熟してたら良いんだけれども…。

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tasogare6 at 10:54|PermalinkComments(0) 音楽制作 | ギター

2024年10月16日

小さな叫び

ノーベル平和賞に日本被団協が選出されました。
これは凄いことだと思う。恥ずかしながら、この団体の存在、活動を僕は知らなかったのだから。おそらく同じ感度で、このことを受けとめた人はたくさんいると思う。高校時代の修学旅行で、広島の原爆記念館を訪れていたから、もしかしたら知る機会はあったのかもしれないけれど…申し訳ない。知りませんでした。もしくは忘れていました。
毎年のように夏になると、拓郎の「いつも見ていたヒロシマ」が脳裏によみがえり、幾度となくイントロのギターを弾きながら口ずさんだり、アルバムを聴きかえしたり…していたというのに!
しかし、この度の受賞で、その存在は世界的に知られることとなったはず。それこそ、バイデン大統領も祝辞を送るほどに。そして核の脅威を、いま一度、世界に思い起こさせる絶好の機会になったと思いたい。それくらい現在の世界は危うい。一発触発の状況だと思うし、その危機感を肌感覚で感じます。

下書きのまま保存していたテキストが、今に繋がる…

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先日、話題の「オッペンハイマー」という映画を観てきたんだけれども、なんとも複雑な感情に見舞われた。たとえオッペンハイマーが原爆を造らなくても、誰かが造っていただろうし、造ってしまったら軍部はそれを使用するだろう。ポツダムに日本が参加していたら、スターリンが余計なことをルーズベルトに言わなければ、ヒロシマとナガサキに原爆は落とされなかったかも知れないし、もしかしたら他の国に落とされていたのかも知れない。すべて結果論でしかないが、いずれにせよ世界は「その先」へ突き進んでいったに違いない…。
そして現在、世界は危うい均衡の上で揺れている。やじろべえのように。結局のところ犖‐抬瓩箸いΔ里蓮起きてしまってからスタートするので、そもそも起きてしまってからでは遅いのだ。大昔、ブルトンたちシュルレアリストが夢見た「世界国家」という理想は、理想のまま混沌とした未来に吸収されてしまった。ここはあえて過去形を使う。吸収され、いつか再構築されることを願う。でも難しいだろうな。先日「反穀物の人類史」を読んで、悲しくも納得してしまった…。

人類は戦争が好きなのだ。

それは良くも悪くも人間の性で、猴瀚将瓩あるから人類は進化してきたわけだし猴瀚将瓩海修、この世界を回している。隣の芝生が青く見えれば自分の領土に欲しくなるし、手に入れる手段を考える。賛同しない者がいるならば排除すればいい。その手段を考える。そうやって人類は、この地球上で生きてきたのだ。
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昔。それこそ80年代中盤。ロックが社会的に力を持っていた(と思えていたであろう)時代に、日本でも猗審豊瓩鬟董璽泙砲靴織薀ぅ屮ぅ戰鵐箸広島で開催された。
きっかけは多分、チェルノブイリの原発事故だったと思うが、あの尾崎豊が「核(コア)」という歌を作っていて、その中で「反戦 反核 いったい何が出来ると言うの 小さな叫びが 聞こえないこの街で」と歌ったことが思い出される。その小さな叫びが、今やっと世界に届きはじめた。そう願わずにはいられない…。

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tasogare6 at 10:15|PermalinkComments(0) 思想・哲学 | 生活

2024年09月30日

文字だけのやりとりは、会話ではない

九月も終わり、明日から十月。書ききれないほどの出来事が世界を覆っています。

政治や世界情勢について、僕はなるべく書きたくないし触れないようにしている。なぜかというと、その問題に対して、僕という個人の見解を文字にしたところで何も変わらないし、必ず「白黒」「左右」「上下」など、湾曲した見方をされる可能性を孕んでいるので、何かと面倒なのです。
要するに、世の中には匿名性をいいことに、やたら主義主張を盾に「悪意」という石礫を入れた「文字」という雪玉を投げつけてくる輩が多い。特にXなどのSNSは、感情と文字の距離が非常に近いので、とても危険。ちょっとした言葉の選択ミスで誤解を招きやすい。

それとはちょっと種類が違う話かも知れないけれど、以前ずっと連絡が途絶えていた古い友人に、その時に抱えていた仕事上のことで、とある質問をするために突然メールをしたことがありました。僕は当時の彼を想像しながら、以前と変わらないフランクな感じでメール交換をしていたんだけれど、おそらく対面だったら冗談として受け止められるであろう言い方が、なぜか急に彼の神経にさわったらしく、以前の彼からは想像もつかない言葉を投げつけられ、誤解を解こうにも、あっという間にアカウントを遮断され、懐かしい友人を失くしたという苦い思い出があります。
これがけっこうショックで、なぜそんなことになったのか自分なりに検証したところ猜源だけのやりとりは会話ではない瓩箸いΔ海箸鮑毒Ъ韻気擦蕕譴燭里任靴拭もしかしたら僕という人間に対して、実は昔から快く思っていなかった部分があったのかも知れません。彼のコンプレックスを逆撫でするような会話が多々あった…とか。
そう思うと、とても悲しく申し訳ない気持ちでいっぱいになります。本当にコミュニケーションというのは難しい。

今の世の中を見渡してみても、この「言葉」を「文字」にする時点で発生する齟齬から、とんでもないトラブルを引き起こすことが、とても多い気がする。なので、あえて僕は言葉を扱うSNSと極力、距離を置くようにしてるし、何かしら文字として発信する場所を限定しています。人間は基本的にネガティブな思考回路を持っているので、疑心暗鬼という、とてもメンドクサイ迷路に陥りやすい。そこに迷い込むと、なかなか抜け出せないのです。裏の裏は表なんだけれども、その裏に潜む邪悪な表も存在する。人の心というのは恐ろしい。まるでナイフ。リンゴをむいて誰かに食べさせるのであれば、それは「善」だし、怒りにまかせて相手に切りかかれば「悪」にもなり得る。そんな譬え話を、前にもしたことがあったっけ…。

さまざまなことが頭の中でフツフツとしているままに、グズグズしてると、あっという間に一年が過ぎ去ってしまう。歳のせいにはしたくはないんだけれども…。

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tasogare6 at 23:59|PermalinkComments(0) 生活 | インターネット・通信

2024年08月21日

幻のDEMO TRACKS

夏の間は Cornari & Tomy のリハーサルは中断してます。
理由は…暑いから(笑)毎回それなりの機材を駆使して、セッションの録音はしているのですが、なかなか音源化できるレベルまで到達していない。しかも、この暑さ。涼しくなるまで休憩です。
そして、そんな最中、個人的な別の企画が発動中。これはこれで個人的には非常に重要なミッション。なぜかというと、それは音楽制作に対する自身のピークに当たる時期の検証と確認、さらには今後、六十代以降を見据えた展望と跳躍に向けたリブート。そんな意味が込められている案件です。

90年代に夢中で制作していた楽曲が無数にあるのです。
最近ライブをする機会が増えて、昔の自作オリジナル・ソングブックなんかを見返してみると、なかなかの良曲がたくさんある。その中には、音源化されている楽曲もいくつか存在する。いわゆる Demo Tracks というものです。
最初はサードアルバムに向けてコツコツ楽曲を制作していて、できたものは当時、僕のサウンド・プロデューサーだった江口さんがデモ・アレンジの音源を作り、それを相棒、塙一郎の自宅スタジオに持ち込んで、歌入れやアコギ、コーラス録りをする。順調にいけば、このデモを元にして本チャンと呼ばれるレコーディングに突入するのですが、残念ながらその機会は失われてしまった。
その後、時代はデジタルへと移行して、塙スタジオには A-Dat と呼ばれるデジタル・ビデオテープ(S-VHS)で録音をする機材が入り、使い込まれたオープンリールの8トラックレコーダー TASCAM 388 は僕が譲り受けて、つくば市に越してからは、独自にDTM(デスクトップ・ミュージック)の世界へと没入していくことになったのでした。

この頃に録音していた音源の Mix Take は、全部 DAT と呼ばれるデジタルテープに録音してあるんだけれども、その数はそこそこ膨大で、1曲の Mix でも何バージョンも存在している。
そこからセレクトした、とりあえず当時ベストと思われる楽曲テイクを CD-R に焼いて保存してあったので、時々なんとなく聴きたくなって聴いたりするんだけれど、これが思いのほか良い。自画自賛です。なんというか、3分か4分の曲に賭けている集中力のような熱量が、その頃は無我夢中で自覚していなかった分、照り返しのような感じで新鮮に感じる。
これはちょっと個人的な感覚かも知れないな…。なぜかというと、以前もどこかで書いたかも知れないけれど、録音環境がコンピューターに移行してから、僕はいつのまにかDTMから離れていってしまったのです。

その経緯としては、 初期の Logic というシーケンスソフトを手に入れて、悪戦苦闘を繰り返しながらも、モリナオヤというアーティストのサウンドプロデュースに携わり、セカンドアルバムに向けた制作を約1年かけて行い、本チャンのレコーディングからミックスまで漕ぎつけましたが、マスタリング前に全部ひっくり返され、あえなく時のもくずと消えてしまった、そのことが大いなる要因としてあるのかも知れません。それも商業音楽にかかわる悲しさですな。そこには音楽だけじゃなく、会社対会社のビジネスとしての取り引き、駆け引き、その他もろもろが存在する。資本主義という巨大な化物のもとで音楽をメシの種にしているわけだから、何が起きてもおかしくはない。しかも、時代はコンピューターベースでの音源制作が主流になり、それはどんどんと進化して、今では2〜3回ほど歌ったり演奏すれば、あとはアルゴリズムやAIを駆使して、サウンドエンジニアが良い感じに仕上げてくれる。それはそれで専門的なテクニックやセンスが必要だったりもするが、僕に言わせれば、なんとなく味気ない、コスパの良い、便利なツールが支配するファスト音楽制作環境なわけです。
そういった時代の流れを、決して否定はしないけれども、皮膚感覚で覚えてきた魔法のような瞬間が減ってゆくのは、なんとなく寂しかったりもする。

少し話がそれましたが、90年代後半に自宅でコツコツ制作していた音源には、そういったアナログからデジタルへ移行する瞬間が、まさに記録されているのです。
この音源のパラデータを吸い出して、再ダビングしたり、再ミックスしたり…いつかそんな時間を作りたいと思っていたのだけれど、物理的に難しい問題があって、どうやら実現はできそうにない。そもそも江口プロジェクトの音源は、当時カセットテープのマルチレコーダーを使用した録音機器で制作していたものだし、おそらくデータは保存されていないだろう。
そして、90年代後半に自宅で制作していた時に使用していた TASCAM 388 は走行不能。オープンリールに録音していた音素材は保存してあるので、直せば再生は可能だろう。だが、ハードディスクレコーダー Roland VS-1680 は、動きはするものの、ソングデータを保存していた CD-R は読み込み不能。何か方法はあるのかも知れないが、今のところどうしようもない…。
それならば、これはこれで貴重な資料として(個人的には)、自分でマスタリングして作品として残しておこうと思ったわけです。あくまで DEMO TRACKS として!

そんなことを思い立ってしまって、現在コツコツと制作作業をすすめているのです。なんとか年内中にはカタチにしたいな。フォーマットは…またあらためて♪

2023-10-09 15:05:15.889


tasogare6 at 21:52|PermalinkComments(0) 音楽 | 音楽制作

2024年08月09日

30年というキラーワード

目黒ライブステーション「Song For You」無事に終演。
水曜日という平日にもかかわらず、ご来場いただきましたみなさん!ありがとう。この日は東京地方、激しい雷雨に見舞われましたが、無事に帰れましたでしょうか? ここ最近ほんとうに不安定な気象状況で、それもこれも温暖化による影響なのでしょう。先が思いやられます。

今回の出演者は Marquee Marblish BAND、岡崎琢磨、谷川智宏、私たち TheROOT1/2 というラインナップでした。
谷川くんは言わずと知れた常連組なので説明は不要かと思いますが、岡崎くんは初めての共演でした。なんと彼は小説家として売れっ子な方で、自身のバンド活動もしているそう。今回はギター弾き語りでの出演。使用ギターが、あのヒデローも使用している Fender の不思議なアコースティックギターだったのが印象的でした。あけすけなプライベート談義も面白かったな。しかも、それを曲にしているという(笑)

そして特筆すべきは、なんといっても Marquee Marblish BAND!通称マーマーバンド。とても個人的に想い出深い、つながりのあるバンドなんです。
今回はリーダーでパーカッションの豪宙太、ギター&ボーカルはチャオ、塙一郎の3人での編成でした。僕は彼らとは、特に一郎とは30年以上の付き合いになります。彼は僕がメジャーデビューする前からの音楽的な相棒として、とても濃密な時間を過ごしてきた仲間のひとり。そして僕のバックバンドだった「THE ROUTE」のバンドリーダーとして、レコーディングはもとより、いっしょに全国を走り回った間柄です。
そんな当時の状況が、なんとなく落ち着いてきた頃に結成されたのが、このマーマーバンドで、最初はボーカルのチャオの名前がバンド名で「CHAO」だったはず…。30年というキラーワードを、一郎がMCで何度も言うもんだから、いろいろ思い出しちゃいました。青春ですな。なにしろ僕らも来年は還暦ですから(!)

一郎が言っていたんだけれど、僕たちも含め、30年前に見たステーションの景色と、たいして変わっていないという現在の印象に、ただただ驚くばかり。これからも、この場所が存在できるように、みなさんには是非とも会場へ足を運んでほしい。動画では観ることのできない感動が、そこにはあるはずです。
そんな願いを胸に、きっとこのまま、なんだかんだと音楽を続けていくんだろうな。そして昔のように、今回のように、こうして音楽が混じり合う接点が、時々、幾度となく訪れる。音楽の旅は続くのです。

さて、今回のセットリストは…

M-1 真夜中バイクを走らせて
M-2 週末
M-3 青空
M-4 Hello & Good-bye
M-5 Twilight Swing
M-6 橋の灯り

弾き語りじゃない「橋の灯り」は、初めてですね。
「TheROOT1/2」と名乗ってるわりに、バンド当時の選曲が皆無という(笑)ま、それはそれで。また次回お楽しみに♪

「TheROOT」YouTubeチャンネル

「吉水孝之」YouTubeチャンネル

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tasogare6 at 18:33|PermalinkComments(0) ライブ | 目黒LIVE STATION
Profile

吉水孝之

歌唱家・作詞家・作曲家。1992年BMGビクターよりメジャーデビュー。動物占いは子鹿。モットーは六分四分。超越論的欲望から墜落した堕天使だが、まだ羽根はある。歌声の響きを追いかけてロック〜ボサノヴァへ。さらなる歌声のスタイルを追求している。

カテゴリ別アーカイブ
Latest Release Items
Music Of The Magic

【Joao】
Joao gilberto
1991年に発表されたジョアン・ジルベルトの名盤。個人的には狹傾颪飽貳峩瓩げ山抬瓩世隼廚Α2023年4月に再発される。このSHM-CDの方が通常盤より音質が良い。生涯ずっと聴いていられる。もちろんレコードも所有。


【Stranger in the Alps】
Phoebe Bridgers
フィービー・ブリジャーズのデビューアルバム。ジャクソン・ブラウンが自ら自費で購入して聴いているという話を聞いて試聴。なるほど納得。久しぶりにくり返し聴けるアーティストに巡り会った気分。


【A Brief Inquiry Into Online Relationships】
The 1975
The 1975の3rdアルバム。偶然「Sincerity Is Scary」のMVを観て、未体験な音楽を感じてアルバムを試聴。この曲は歴史的な名曲だと思う。しばらく夢中で聴いていた。1st、2ndも良番!


【A Thousand Days】
Michell From
プロデューサーとして名高いミッチェル・フルームのソロアルバム。全編ピアノによるインストだが、最高。この味わい深い音は何だろう?「1965」という僕の生まれた年がタイトルの曲があるのも嬉しい。名盤!
Book Of Dreams'25

【地下室の手記】
ドストエフスキー 著
江川 卓 訳
なぜか本棚にあった。おそらく初読。実に細かい文章表現力。しかも読んでいると、どんどん引き込まれていく。この主人公の屈折した性格性。他人とは思えない。そういう人間の表裏を見事に著していると思う。


【幸福な王子】
オスカー・ワイルド 著
西村 孝次 訳
ひょんなきっかけで読んでみたくなり図書館で借りて読んでみた。これが童話なのか?と思うほど社会の歪みに対して敵意をあらわにする視線。大いに共感。キリストを土台にしているのだろうか?シュルレアリズムを感じる。


【幻影の書】
ポール・オースター 著
柴田 元幸 訳
久しぶりに長編小説を読んだ。複層的な物語の中に散見する類まれな表現力に舌を巻く。スラスラと読めてしまう訳者の力量も見事。そういえば、最新の長編小説も興味深ったな。


【時間と自己】
木村 敏 著
続けての時間つながり。こちらは精神医学〜哲学的見地からの論考。ちょっと難しいが非常に面白い!分裂病、躁鬱病、癲癇という三種類の時間感覚から導き出そうとする考察は興味深い。

Book Of Dreams'24

【時間はなぜ取り戻せないのか】
橋元 淳一郎 著
父の書斎から拝借。たくさん傍線が引かれていた。哲学的な犹間畊融,隼廚いや、物理学、数学的な思考で紐解く時間論だった。だが「時間は人の観念のうちにあるもの」ということを科学的に証明しようとする姿勢には共感する。特に後半、とても興味深い。

エリュアール詩集
【エリュアール詩集】
宇佐美 斉 編・訳
アンドレ・ブルトンらと行動を共にしたシュルレアリスム創成期のひとり。ランボー以降のフランス詩においては最重要な詩人。特に後期の恋愛詩は、一読ではとても味わいきれない。


【パジャマを着た神様】
ルイ・カストロ 著
国安 真奈 訳
「ボサノヴァの歴史」外伝。前作から約10年が経過しての本作だが、ボサノヴァ・ムーブメントの渦中にいた名だたる人物の詳細な逸話がてんこ盛り。有名な女優ブリジット・バルドーがボサノヴァに深く関わっていたのは意外だった。なんと言っても著者の文章力と翻訳が秀逸!

不死の人
【不死の人】
ホルヘ・ルイス・ボルヘス 著
土岐 恒二 訳
「アルフ」という表題でも出版されている。ボルヘスの有名な短編集。幻想小説と括るには史実に基づく情報量が多すぎて、ボルヘスの知識の深さに驚嘆する。最後に収録されている「アレフ」の冒頭6行の表現が秀逸。訳も素晴らしい。


【僕はなぜ小屋で暮らすようになったか】
高村 友也 著
数年前、偶然Xで彼を見つけた。思春期の頃に感じていた感覚への懐かしさもあり、彼の生き方に興味を持った。頽落を拒否し続けることへの、それは一つの方法だろう。資本主義社会の現代においては、なかなかに難しいが。


【人新生の「資本論」】
斉藤 幸平 著
SDGsというフレーズだけが世の中に蔓延してしばらく経つが、本当の意味での持続可能な社会を目指すのであれば、脱成長コミュニズムしかない。世界中の無能な指導者に、マルクスに対する誤解を払拭させる本書を是非とも読ませたい。


【火花】
又吉 直樹 著
二十代の頃に僕も住んでいた吉祥寺が舞台の小説で、偶然にも同時期に住んでいたという作曲家で友人T氏のオススメ本。それが漫才であろうと音楽であろうと、夢という火花をまき散らし生きた青春は、永遠なのです。


【反穀物の人類史 】
〜国家誕生のディープヒストリー〜
ジャームズ・C・スコット 著
立木勝 訳
人類の始まりは穀物から、という安易な歴史観を覆す、さまざまな証拠と検証を沖積層から紐解いた、新しい人類史論。国家と戦争というのは、穀物の発見と共に歩んできた歴史…としか言いようがない。


【サイコロジー・オブ・マネー】
モーガン・ハウセル 著
児島 修 訳
この本は投資のハウツー本ではない。犇皚瓩箸い生き物との付き合い方、心構え、思考法について、たくさんの引用例を用いて丁寧に書かれた良本。安易な投資ブームに乗る前に、一読をおススメする。個人的には、非常に共感する内容だった。


【エロスの世界像】
竹田青嗣 著
再読。幻想的身体…人間の存在とは?それは世界というものの捉え方についての論考。それぞれの内側で起きている現象を解き明かそうとする思考の旅は続く。竹田青嗣が著した「欲望論」に繋がっていく草稿的なテキストとも言えるかも知れない。
Book Of Dreams'23

【時間】
エヴァ・ホフマン 著
早川 敦子 監訳 / 柳田 利枝・上神 弥生 訳
二回目の再読。こういう本は1回読んだだけじゃ深く理解できないだろう。「時間」について、とても深く考えさせられる本だ。僕も個人的に思うことがたくさんある。特にデジタル化された現代が世界時間に及ぼす影響は計り知れない。後戻りはできないけれど。

シュルレアリスム
【総特集 シュルレアリスム 】
〜ユリイカ臨時増刊〜
巖谷 國士 編
アンドレ・ブルトン没後10年を記念して臨時刊行されたシュルレアリスムの特集本。新しい秩序へ向かう宙吊り状態を継続する、現在形としてのシュルレアリスムに寄せたさまざまな論説が網羅されている。難解だが、中には引き込まれる論説あり。ブランとか…。


【シュルレアリスム宣言・溶ける魚】
アンドレ・ブルトン 著
巖谷 國士 訳
アンドレ・ブルトンの歴史的な書籍。まさに「思考が溶ける」ように一読すると難解な印象だが、立体的なイメージの連鎖が縦横無尽な思考を表現している。ブルトンの宣言するシュルレアリスムを本当の意味で理解するのは時間がかかるが、1本の未来につながる光の糸が天空から垂らされている気がする。


『ランボー詩集』
堀口 大學 訳
シュルレアリスムの流れにて再読。多分この詩集は高校時代から所有。おそらく一読はしているだろうが定かではない。ランボーの詩は15〜19才の期間で書かれたものがすべて。これの研究は後世まで続く。あきらかに普通ではない。天才を通り越している。

ブルトン シュルレアリスムを語る
【ブルトン、シュルレアリスムを語る】
アンドレ・ブルトン 著
稲田 三吉 / 佐田 一 訳
アンドレ・ブルトンとアンドレ・パリノーの対談を中心とした対話集。これはまるでシュルレアリスムの教科書のようだ。1940~50年代付近の時代背景を伝えつつ、ブルトンにとってのシュルレアリスムが精緻に語られている。自分の中に点在する多くの思考と重なるのは、やはり僕もシュルレアリストということだろうか ⁈


【アンドレ・ブルトン詩集】
アンドレ・ブルトン 著
稲田 三吉 / 笹本 孝 訳
シュルレアリズム、超現実、詩とは革命。ジャン=ルイ・べドュアンによるブルトンの詩集。ここには載っていないが「透明な巨人」も読んでみたい。内容は非常に難解だが、詩を武器にした哲学、思想の迷宮は圧巻。二十世紀初頭の文学者、芸術家の対世界に対する集中力、頭脳は驚異的だ。


【ダンス・ダンス・ダンス(下)】
村上 春樹 著
心の皮膚で感じるというのは、理解を超えた感覚。つきまとう「死」と生きる理由を探し続ける猖有瓩謀は見つかるのだろうか?…長い時間を経なければ得られない邂逅のような読後感。これは後の作品にまで繋がってゆく。


【ダンス・ダンス・ダンス(上)】
村上 春樹 著
こちらも数十年ぶりの再読。これで一連の羊シリーズは完結…らしい。これは時間を置いて再読しないと理解できない物語かも知れない。というか、読み手の皮膚から浸透してくる感覚があって、もしかしたらその先に個々それぞれの牋嫐瓩里茲Δ覆發里存在している?そういう不思議な小説。


【羊をめぐる冒険(下)】
村上 春樹 著
十数年ぶりの再読にして、この作品がいかに傑作だったのかを思い知った。特に下巻に入ってからの空気感は、個人的に何度も特別な既視感を僕にもたらしてくれる。マイルス・デイビスの「Kind Of Blue」が急に聴きたくなるのは、きっと当時、マイルスを聴きながら読んでいたから?…多分。


【羊をめぐる冒険(上)】
村上 春樹 著
数十年ぶりの再読。やはりここから文体が変化している。秀逸な比喩には磨きがかかっているが、透明な何かが失われはじめている気がする。よく言えばスタイルの確立か。でも当時こんなものが登場したら驚きだと思う。父が「新しい文学の登場」と言っていたのは、決して大袈裟ではない。
Book Of Dreams'22

【風の歌を聴け】
村上 春樹 著
引き続きの再読。ここから春樹ワールドが始まったと思うと感慨深い。僕は「1973年のピンボール」を先に読んでから、こちらを読みなおすのが好きらしい。独特の比喩を用いた文体が最初から存在している。この透明で乾いた質感は…なんだろう?


【1973年のピンボール】
村上 春樹 著
久しぶりの再読。時期的なものか?夏の終わりから冬に向かう空気感がとても心地よい。時々この世界観に触れたくなるのは何故だろう?「1Q84」を再読した時にも感じた、あの海の近くの松林。海沿いの小さな町が個人的に印象深く、好きなのかも知れない。

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【獣の夢】
ニール・ジョーダン 著 / 山田 和子 訳
これもずっと本棚にあった未読本。なぜ購入したのかは不明。二十代の頃には間違いない。ファンタジーというワードに惹かれたか?内容は…よくわからない(笑)映画の脚本的な内容。翻訳物だからなのか、文章として引き込まれる力はあまり感じられなかった。夢の話だからなのか…。

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【ジョン・アッシュベリー詩集】
ジョン・アッシュベリー 著
大岡 信・飯野 友幸 訳
父の書斎から拝借。アメリカを代表する詩人のひとり。難解な詩だが、とても音楽的。読んでいると時々さまざまなイメージが通り過ぎていく。常に浮遊する詩の断片を気まぐれに拾いあげるような詩法は、人間の瞬間的な思考に最も近いと思う。ポケットに入れて何度も読みたくなる。

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【怪】
綱淵 謙錠 著
ずっと昔から本棚に存在するも未読のままだった本。おそらく高校時代からか?なぜ購入したのかは不明。タイトルから怪談ものと思いきや、史実に基づいた時代小説の傑作。特に幕末から維新直後の会津藩にまつわる後半の数篇には心が震えた。真剣とは、まさに「生と死」を分けるためにある神器。日本刀はただの刃物じゃない。


【無意識の心理】
カール・グスタフ・ユング 著
高橋 義孝 訳
二十代の頃から僕の本棚にあった本。哲学を介した心理学だが、臨床的な立場からの研究論文という側面もあり、ちょっとまわりくどいが、122頁あたりに光明を見る思いがした。初版では「人生の午後3時」というタイトルだったそうだが、なるほど納得。読むものを探して何気なく手にとったが、それも無意識のなせるわざか?


【ウクライナから問う】
現代思想
2022年6月臨時増刊号。4月頃までのロシアによるウクライナ侵攻に関する現状、歴史、政治、文化…等、さまざまな立ち位置から発せられた論文集。そこでいったい何が起こっているのか?テレビやSNSで氾濫する情報を受け取るだけでは知りようもないヒントが散見される。この戦争がなぜ起こったのか?少しでも知っておく必要がある。

BOSSA NOVA
【BOSSA NOVA】
林 伸次 著 / 保里 正人 デザイン
昔とある友人がプレゼントしてくれたボサノヴァ本。当時は一読して終わったが、前回の「ボサノヴァの歴史」を読んでいて共通の情報が多数あったので再読。語り口はライトだが、著者は相当なボサノヴァ通。より立体的に認識を深めることができた。この頃のブラジルは面白い!


【ボサノヴァの歴史】
ルイ・カストロ 著 / 国安 真奈 訳
まさにボサノヴァ辞典と呼ぶに相応しいほど厚みのある書物。ボサノヴァ以前のブラジル音楽から、どのようにしてボサノヴァが誕生し、世界へ波及していったのか…正確かつ誠実に取材された、まさにボサノヴァの歴史を紐解く大著。誤字脱字も一切なく完璧。著者の大いなるボサノヴァ愛を感じずにはいられない。


【時間】
エヴァ・ホフマン 著
早川 敦子 監訳 / 柳田 利枝・上神 弥生 訳
まず表紙に目がいく。変名で執筆していた小説の最後に出てくる風景にそっくりで驚いた。次にタイトル。哲学的な視点はもとより、より個人的な興味として人間にとっての犹間瓩箸浪燭を追求している論考。特に第4章は現代を生きる我々にとって、生き方の根底から考えさせられる内容。著者がホロコースト第二世代というのも興味深い。


【パンデミック2】
スラヴォイ・ジジェク 著
岡崎 龍 監 / 中林 敦子 訳
前回の「パンデミック」に続くジジェク第二弾。2020年後半、コロナ禍が世界にもたらした本当の問題とは何か?そして、これから私たち人類がすすむべき未来に必要なこととは何か?ものすごい洞察力で世界を視るジジェクの思想的な問題提起。そこに来るべき未来へのヒントが隠されている。ただ…残念ながら、ここにもまた誤字脱字あり。


【パンデミック】
スラヴォイ・ジジェク 著
斎藤 幸平 監 / 中林 敦子 訳
初ジジェク。2020年初頭、新型コロナ感染が世界を揺るがし始めた数ヶ月の間に、ここまでの思考を文字化しているスピード感は圧巻。しかも、かなり深く広く思考していて、その延長線上にある2022年現在の状況を見事に言い当てている。そして、これから世界の向かうべき先には…。内容は素晴らしいが、誤字脱字が多過ぎる。校正が間に合わなかったのか?


【存在と時間〈下〉】
マルティン ハイデッガー 著
細谷 貞雄 訳
現存在について考究すると、避けて通れないのが「時間」。これを反転させる「時間と存在」についての論究が展開される。これは上巻をしっかりと読み解いた上でないと先へは進めない。しかも最初の設計図では、この上下巻が前編で、ここから後編に続く論文が発表予定だったらしい。未完で終わっているにもかかわらず、当時の思想界を揺るがすには十分すぎる大著。しかも、この本が彼にとって思想の出発点だったとは!
Book Of Dreams'21

【存在と時間〈上〉】
マルティン ハイデッガー 著
細谷 貞雄 訳
あまりにも難解で、ほとんど理解できないまま読み進む。とにかく最後まで読破することがモチベーションだったが、不思議なことに読んでいるうちに耐性ができてくるのか、ぼんやりと輪郭らしきものが見えてくる。頽落と被投性の項目あたりから霧が晴れるような感覚を覚えたが、その後また濃霧の中へ。とにかく訳者の翻訳に対する研究心とその姿勢に感服する。凄い。


【現象学は思考の原理である】
竹田青嗣 著
再読2回目。長い間、誤解されてきた現象学。犖従欒愿還元瓩箸いΦ蚕僂如崋膣僂筏甸僉廚箸い主題はもとより、難解な文献をわかりやすく解読しつつ、欲望論の試論まで展開する。再々読必至。


【東京日記】
リチャード・ブローティガン 著
福間健二 訳
ブローティガン最後の詩集。これも父の書斎から拝借。ブローティガンは時間の瞬間を切り取る達人。そして、そこに見逃せない心の揺らぎを刻み込む詩人としての静謐さを感じる。序文を読めばわかるが、生まれ落ちた国は違えど、人間としての生きることへの態度は、尊敬に値する。


【アメリカの鱒釣り】
リチャード・ブローティガン 著
藤本和子 訳
有名な本書の存在は以前から知ってはいたものの、なかなか読む機会がなかったが、父の書棚にこれを見つけて読んでみた。一度読んだだけで理解するのは難しいが、彼の中に渦巻くイメージの変換は驚嘆に値する。リアルは瞬間的に夢と化す。当時のアメリカの時代性や風土を、これほど非文学的=超文学的な手法で表現されたものを他に知らない。


【1Q84 BOOK 3】
村上春樹 著
気まぐれの再読にしては、思った以上に内容が深く入ってくることに驚く。呼び覚まされる個人的な痛みの記憶と共鳴して、だんだんと読んでいるのが辛くなるが、自分にとっての「1Q84」は、さらに重要性を増していくようだ。牛河が亡くなってしまったのは残念。けっこう好きだったな。


【1Q84 BOOK 2】
村上春樹 著
偶然にも現在の世界的な傾向に警鐘を鳴らす新聞記事に、この作品のモチーフと思しきジョージ・オーウェルの「1984」が引き合いに出されていた。突然この本が気になった理由は、もしかしたら無意識下で、そこに繋がっていたのかも知れない。


【1Q84 BOOK 1】
村上春樹 著
約十年ぶりの再読。あらためて物語の精密性と比喩に姿をかえる膨大な知識に驚かされる。そして、なんといっても読者を引き込んでいく文章力とワールド感。そう、筆圧やスピード感というより世界観。たまに読みたくなる。
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【現代批評の遠近法】
竹田青嗣 著
これは凄い本だ。批評というものが、これほどまでに哲学的な思考と言葉を武器に、ひとりの人間の「なぜ?」という精緻な襞を出発点に、物凄い強靭な精神力をもって解明を試みるものだったとは!自身のアイデンティティーから天皇制にまで、迷いのない知的なメスを入れる傑作。


【エロスの世界像】
竹田青嗣 著
原理的思考の根拠、欲望論=エロス論…近年「欲望論」という2巻を著した竹田青嗣が、フッサール現象学を起点とした自我と世界についての考察。人間とは何か?…考えれば考えるほど、まるでタマネギの皮を剥くようだが、色めく幻想的身体の指先に触れる、この感触は…。


【ユリイカ 2019年9月臨時増刊号】
〜総特集◎遠藤ミチロウ ―1950-2019―〜
昨年亡くなったTHE STALINの遠藤ミチロウ追悼特集。日本の音楽史の中で唯一無二なる特異な存在だった。その才能がどこから来てどこへ向かおうとしたのか。それを紐解く鍵に触れられる一冊。その知性を疾駆らせる思考と行動のエネルギーには圧倒される。


【お金2.0】
〜新しい経済のルールと生き方〜
佐藤航陽著
世の中に電子マネーが普及し始めてしばらく経つが、紙幣や硬貨でやりとりする時代はもうすでに終わりに近づいている。移動手段が馬から車に移行したように。これからのお金のあり方や経済の仕組みを紐解く必読書。


【パンデミック・マップ】
サンドラ・ヘンペル著
今年2月、ふと目について衝動買い。コロナウイルス騒動がただ事ならぬ様相を呈してきた折、パンデミックとはどういう事態なのか?興味をそそられて…。人類の歴史は感染症との戦いなのですね。今回のコロナ騒動…地球規模での環境転換期突入の序章かも知れない。
Book Of Dreams'19

【スクワットとかかと落とし】
鎌田實 著
70歳の医師がたどり着いた究極の健康法!認知症予防、メタボ改善、老後に向けて今からできること。それは筋活!僕も8月から毎日3種類のスクワット&かかと落とし10回×3セットを実践しているが、すでに3キロ減。読んで納得。理論的にも正しい。オススメです。

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【世界という背理】
竹田青嗣 著
父の書棚から拝借。小林秀雄と吉本隆明という二人の批評家を対比しながらの、「思想」とは何かを徹底的に考察した論考。ちょっと難易度高し。1回読んだくらいじゃほとんど理解できないが、言葉についてフッと思い至ることあり。やはり再読が必要か?


【大河の一滴】
五木寛之 著
約20年前に書かれたものだが、現代においてもまったく同じ質量で響く言葉に溢れている。ある程度、僕も年齢を重ねたせいか、深く胸の内に落ちてくる話が多い。氏を目標にする人は後を絶たないと思うが、間違いなく僕もその一人だ。

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【ランボー、砂漠を行く】
〜アフリカ書簡の謎〜
鈴村和成 著
詩人アルチュール・ランボーは、なぜ詩を捨てたのか?…アフリカの地で交易商人として彷徨した11年間。その間に残した書簡を通して、まるで「地獄の季節」で予見したかのような不思議な人生を紐解くランボー研究本。ランボーは砂漠の果てに、何を見たのだろう?
Book Of Dreams'18

【デラシネの時代】
五木寛之 著
前回に引き続き「デラシネ」というワードに魅かれて購入。とにかく類稀なる知識人。そして人としての猯Л瓩魎兇犬襦この人の文章は信用できる。そう思わせる強い共感が読み進むうちに身内に湧き出てくるのは、きっとこの人にしか見ることがなかったであろう風景が、今もその胸中に横たわっているからだろう。

風のホーキにまたがって
【風のホーキにまたがって】
五木寛之・駒尺喜美 著
五木寛之が急に読みたくなって本棚にあったことを思い出し探してみたところ、この本を見つけた。買った覚えはないが。この本は両氏の往復書簡集なのだが、世界について、男と女について、それぞれの視点、価値観、思想感が常に冷静に、時には感情的にやりとりされていて、とても面白く読めた。まだまだ知らないことが世の中にはたくさんあるのだ。


【色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年】
村上春樹 著
久しぶりに書き下ろしを読んだ。相変わらずの秀逸な比喩。なんとも言えない読後感。日常的であって、やはり独特な非日常の物語。ある程度、初秋を迎えた世代にならないと理解できない世界かも知れない。女性には不人気な作家だが、僕は好きだな。


【人間の未来】
竹田青嗣 著
再読二回目。前回よりは深く潜行できた感あり。だが、まだ読み込まないと理解できない部分もある。次回は引用される「人間的自由の条件」を読んでからまた再読したい。「事そのもの」については熟読の必要がある。


【今日も珈琲日和】
鶴巻麻由子 著
「珈琲屋台 出茶屋」というリヤカー屋台をひいて、火鉢に鉄瓶、ハンドドリップで珈琲を淹れるというスタイルで移動販売する著者の手記。この空の下で犲立瓩靴得犬るとは?暮らすとはどういうことなのか?いろいろ考えさせられる一冊。絵本のような挿絵も素晴らしい。


田舎のパン屋が見つけた
【腐る経済】
渡邉 格著
「腐る経済」という意味深なタイトルに惹かれて読んでみた。田舎の山奥で猖榲瓩離僖鵑鮑遒辰討い訝者が見つけた資本主義社会という枠組の外へ出る方法...と一概には言えないが、挑戦していることは確か。マルクスが出てきたり、非常に面白いことが書かれている。発酵と腐敗の違いがヒントかな?


【虹の彼方に】
池澤夏樹 著
なぜか僕の本棚にあったのだが、購入した覚えがない。多分これもきっと父が薦めてくれた本だと思う。読んで納得。非常にレフティー。共感する文章が山のようにあった。これほど鋭利かつ冷静に世界を見ることができる感性と視座は、やはり牋榮悪瓩垢訝罎念蕕泙譴燭發里覆里も知れない。知らなかった情報...多。


【夏への扉】
ロバート・A・ハインライン 著
福島正実 訳
久しぶりの再読。エンディングにさしかかる辺りで、山下達郎「夏への扉」が脳内に流れてきた。時空間SFの最高傑作。作品中に出てくる物理学的論考や生活様式が、70年代当時から21世紀という近未来を、ほぼ正確に言い当てていたことにも驚く。


【勝手に生きろ!】
チャールズ・ブコウスキー 著
都甲幸治 訳
貧困とアメリカ、リアルな日常を生きる若き日のブコウスキーが目に浮かぶ快作。ここまで徹底したアンチ文学性は、逆に傑出した芸術性なんじゃないか。2005年に「Factotum」として映画化されている。主演は、あのマット・ディロン!


【現代思想の冒険】
竹田青嗣 著
再読3回目かな?文庫本では初読。あとがきが追加してあった。さすがに3回目ともなると内容への理解度が深まっていて、読みながら脳に染み込む速度が速くなった。だからこそ他の本も再読しなければならない。現象学による「還元」は自分にとって、まだ技術と呼ぶには程遠い。まるでボサノヴァのようです。


【ブコウスキー・ノート】
チャールズ・ブコウスキー 著
山西治男 訳
ブコウスキーの出発点となったアングラ新聞「オープン・シティー」に掲載されたコラム集。生々しいブコウスキーの体温を感じることができる。生きることは絵空事ではなく、いろんな液体を垂れ流しながら昨日と変わらない夜明けを迎えることなのだ。


【ホーキング、宇宙を語る】
〜ビッグバンからブラックホールまで〜
スティーヴン・W. ホーキング 著
一読しただけでは理解不能な部分も多い。が、昔から哲学者たちが問いかけてきた世界の「なぜ?」を量子力学と物理学の見地から立証しようとした天才の書。宇宙の謎を解き明かすということは、この世界の成り立ちを狄性瓩亮蠅ら人智の手に引き渡すということに等しい。再読必至。


【プラトン入門】
竹田青嗣 著
ギリシャ哲学から脈々と続いている哲学の系譜。ソクラテスから受け継がれた思考の歴史が、これほど長い時を経た現代にまで鳴り響いているという事実は驚愕に値する。犢佑┐覘瓩海箸魑羔砲泙覇佑詰めようとする脳は、人間が生まれた時から、すでに「在った」ということなのだろうか。


【去年の冬、君と別れ】
中村文則 著
はじめから映画化を想定して書かれたような作品。映画「三度目の殺人」のプロットを借りて、左手で書いたようなサスペンス。ちなみに映画は観ていない。「掏摸」の頃の著者に感じた牋鼎ざ鉢瓩魴,蟆爾欧襪茲Δ幣霰は希薄。ちょっと期待はずれだった。


【語るボルヘス】
ホルヘ・ルイス・ボルヘス 著
木村榮一 訳
1978年にブエノスアイレスの大学で行われた連続講演の記録。その膨大な記憶力と知識力は尋常ではない。当時すでに視力は失われていたというから、本当にボルヘスの脳からダイレクトに発せられた言葉たち。再読せずにはいられない。


【砂の本】
ホルヘ・ルイス・ボルヘス 著
ボルヘスの4冊目になる短編集。ボルヘスならではの幻想的な味わいのみならず、アルゼンチンの風土や歴史にまで思索が及んでいる作品もあり、その重厚な知識やイマジネーションには相変わらず驚かされる。


【ハイデガー入門】
竹田青嗣 著
ハイデガーの「存在と時間」を軸に、前期ハイデガーと転回後の後期ハイデガーを読み解く。いささか難解だが、世界と人間について19世紀から20世紀まで、ハイデガーに限らず、これほどまでに深い思考を巡らす思想・哲学には驚かされるばかりだ。

pulp
【パルプ】
チャールズ・ブコウスキー 著
柴田元幸 訳
ブコウスキーの遺作となった異色の探偵小説。想像以上の奇想天外さ(笑)著者が乗り移ったかのような主人公ニック・ビレーンが愛おしい。グイグイ読ませるスピード感とエネルギーは相変わらず。この人の文章を読むと元気になるのは何故だろう?
Book Of Dreams'17
モロッコ幻想物語

【モロッコ幻想物語】
ポール・ボウルズ 編
越川芳明 訳
ボウルズがモロッコの口承の物語を聴き書き、編集、翻訳した物語群。非常にミニマリズムな作風で、絵本にもできそうな感触。特に何か意味を持たせようとする作者の意図もなく、乾いていて、しかも奇妙な読後感が残る。何度も読みたくなる不思議な物語。

シェルタリング・スカイ

【シェルタリング・スカイ】
ポール・ボウルズ 著
大久保 康雄 訳
再読。この小説は歴史に残る傑作だと思う。初めて読んだ時よりも、登場人物の意識の移ろいや、言葉の意味、表現に苦慮する訳者のひたむきさなど、すべてにおいて鮮明に味わうことができた。行ったことのない土地の風土や風景が脳裏に思い描かれる体験は、新たな新鮮さを覚える。

百

【百】
色川武大 著
再読三回目。現在、僕の家族も似たような状況にあるので、なんとなく手を伸ばして読んでしまった。やはり何度読んでも引き込まれる。細やかな心のやりとりが行間から浮かび上がるように読み手の中に入ってくる。生と死。加齢と逡巡。生きているだけで儲けものなんだな…。

yuriika
【ユリイカ-詩と批評-】
青土社 著
1994年3月号「ポール・ボウルズ~永遠の越境者」特集。頭から終わりまで全部読んでみた。まだ読んでいなかったボウルズの短編もあったり、とにかくボウルズ研究本として秀逸な内容だった。しかも、活版印刷としての最終号だったらしく、それもまた味わい深い。購入して大正解。

自分を知るための哲学入門

【自分を知るための哲学入門】
竹田青嗣 著
著者の竹田青嗣が、どのようにして哲学と出会い踏み込んで行ったのか。哲学から現象学へ。思考の系譜が解りやすく解説されている。哲学って難解で特殊なイメージがあるが、実は生きるための思考の技術なのだ。

現象学は思考の原理である

【現象学は思考の原理である】
竹田青嗣 著
現象学の主題「主観と客観」を紐解く鍵となる方法が「還元」という技術。今までそれがよくわからずにいたが、この本でやっと具体的な方法を垣間見れた気がする。脳みそに染み込むほどの諒解感にはほど遠いが。

人間の未来

【人間の未来】
竹田青嗣 著
現象学の立ち位置から近代社会、資本主義社会を検証。警鐘を鳴らす。約十年前の書籍だが、現在の世界を恐ろしいくらいの精緻さで言い当てている。これから人間はどこへ向かうのか?今一度、真剣に自分自身に問いかける必要がある。

離婚

【離婚】
色川武大 著
面白い!一筋縄ではいかない男女の心のふれあいが見事に描かれている。私小説的なスタンスをとりながらも現実と妄想が絡み合う話についつい引き込まれてしまう。こんな文章書ける人、なかなかいないな。

私の旧約聖書

【私の旧約聖書】
色川武大 著
最近になってどういうわけか聖書に興味を覚え、いろいろ調べていたら、あの色川さんが旧約聖書について書いているではないか!ということで購入。書評が吉本隆明というのも面白い。世界、特に欧州の精神性の源泉を垣間見た気がした。

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【サハラ砂漠縦断記】
ジェフリー・ハワード 著
手押し車に食料その他を詰め込み、サハラ砂漠縦断を敢行した牧師ジェフの記録。その場に立った者にしか語れない景色に、ますます僕はサハラへの憧憬に心を奪われてしまうのです。